太田の作品は車のエンジンルーム、家屋の屋根裏の構造までもが、段ボールとセロハンテープで再現されている。太田は、小さな頃から、身の回りのものや生活に関わるものの「中身がどうなっているのか」ということに興味があったという。特に車両には関心が強く、緊急車両や、電波中継車両などの特殊車両が多いのは、やはり構造の面白さをより持っているものを選択した結果である。また型式の古い車両も多く、「より車らしいくるまを作りたかった」と話す。洗練され、自動化された最近の車には魅力を感じないそうだ。
太田の作品は、単に古いものを懐かしむことにとどまらない、彼の愛するものの構造の裏側にある、人の手の感触や、温度を感じさせる。
絶望でもなく、希望でもなく(2016/04/02-2016/06/27)
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